楽曲分析・感想

馬と鹿/米津玄師 でコード進行を学ぶ

馬と鹿/米津玄師 でコード進行を学ぶ

IN-TOSH(@intosh_redarrow)です。

今回は 馬と鹿/米津玄師 でコード進行を学んでいきます。

概要

馬と鹿/米津玄師

作詞・作曲・編曲 : 米津玄師

編曲協力 : 坂東祐大 (Ensemble FOVE)

B面 : 「海の幽霊」「でしょましょ」

米津玄師の10枚目のシングル。2019年9月11日リリース(同8月12日先行配信)。TBS系日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』主題歌

総合ソングチャート【Billboard Japan Hot 100】2019年9月23日付ランキング1位

馬と鹿/米津玄師
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コード譜(フル)

コード譜の下へ

Cm・A♭・|B♭・E♭ B♭/D

Cm・F7・|Fm7/B♭・E♭・

Cm・A♭・|B♭・E♭ B♭/D

Cm・F7 Fm7/B♭|E♭・・・

A♭・E♭・|G7 G7/B Cm・

D♭・E♭・|Fm/C・Fm・

B♭m・A♭/E♭・|G7・Cm・

Fm・B♭7・|E♭・・・

E♭7・・・

A♭・B♭・|Cm・F7・

Dm7-5・G7・|Cm・C7・

A♭・B♭・|Cm・F7・

A♭・B♭・|Cm・E♭・

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ Cm E♭

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ E♭・

E♭・・・|・・・・

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ Cm E♭

A♭ B♭ Cm Gm|B♭ G Cm Cm/G

Cm・A♭・|B♭・E♭ B♭/D

Cm・F7・|Fm7/B♭・E♭・

Cm・A♭・|B♭・E♭ B♭/D

Cm・F7 Fm7/B♭|E♭・・・

A♭・E♭・|G7 G7/B Cm・

D♭・E♭・|Fm/C・Fm・

B♭m・A♭/E♭・|G7・Cm・

Fm・B♭7・|E♭・・・

E♭7・・・

A♭・B♭・|Cm・F7・

Dm7-5・G7・|Cm・C7・

A♭・B♭・|Cm・F7・

A♭・B♭・|Cm・E♭7・

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ Cm E♭

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ E♭・

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ Cm E♭

A♭ B♭ Cm Gm|B♭ G Cm Cm/G

E♭m B♭m B G♭|Fdim G Cm D7

Gm Cm Fm7 Gm|Dm7-5 G Cm・

E♭m B♭m B G♭|Fdim G Cm Gm

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ E♭・

E♭・・・|E♭aug・・・

E♭・・・

A♭・B♭・|Cm・F7・

Dm7-5・G7・|Cm・C7・

A♭・B♭・|Cm・F7・

A♭・B♭・|Cm・E♭7・

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ Cm E♭

A♭ B♭ Cm Gm|A♭ B♭ E♭・ ×2

E♭・E♭aug・|E♭7・E♭aug・

E♭aug・・・|・・・・

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コード進行 分析・解説

場面ごとに見ていきます。コードはディグリーネームで表記します。

また、ノンダイアトニックコード赤字で表記します。

楽曲のキーE♭メジャーです。

Aメロ

Key = E♭

Ⅵm・Ⅳ・|Ⅴ・Ⅰ Ⅴ/Ⅶ

Ⅵm・Ⅱ7・|Ⅱm7/Ⅴ・Ⅰ・

Ⅵm・Ⅳ・|Ⅴ・Ⅰ Ⅴ/Ⅶ

Ⅵm・Ⅱ7 Ⅱm7/Ⅴ|Ⅰ・・・

( 原曲のキーで見る → A-1 A-2 )

6451の小室進行と6251の変化形の2つの組み合わせです。

1625は代表的な循環コードですが、6から始めると6251でトニックで終わる形になります。Ⅱ7やⅡm7/Ⅴについては、機能的にⅡm、Ⅴに似ていて置き換えてられたとも解釈できます。

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両方Ⅵm始まりの進行ということで、マイナーからスタートする若干暗い感じも出ています。歌詞、楽曲の雰囲気と合っていると思います。

Bメロ

Key = E♭

Ⅳ・Ⅰ・|Ⅲ7 Ⅲ7/#Ⅴ Ⅵm・

♭Ⅶ・Ⅰ・|Ⅱm/Ⅵ・Ⅱm・

Ⅴm・Ⅳ/Ⅰ・|Ⅲ7・Ⅵm・

Ⅱm・Ⅴ7・|Ⅰ・・・

Ⅰ7・・・

( 原曲のキーで見る → B-1 B-2 )

最初は41のサブドミナント終止ノンダイアトニックコードⅢ7からⅥmのドミナントモーションという流れです。

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3小節目、4小節目の♭Ⅶ→Ⅰ→Ⅱmで、流れが変わります。これは、2度(全音)上の短調でいう♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰmの形で、マイナーを感じさせる逆循環コードです(平行調長調でいうⅣ→Ⅴ→Ⅵm)。

よってこの部分は、2度(全音)上の短調Fマイナー(またはその平行調長調であるA♭メジャー)に一時的に転調していると解釈することもできます。

その後は元のE♭メジャーツーファイブワンの形から、Ⅰ7サビへ繋がります。Ⅳからの進行を強く欲する繋がり方ですね。

最初の6小節のA♭メジャーでのディグリーネーム表記を以下に記しておきます。

Key = A♭ (Fm)

Ⅰ・Ⅴ・|Ⅶ7 Ⅶ7/#Ⅱ Ⅲm・

Ⅳ・Ⅴ・|Ⅵm/Ⅲ・Ⅵm・

Ⅱm・Ⅰ/Ⅴ・|Ⅶ7・Ⅲm・

サビ

Key = E♭

Ⅳ・Ⅴ・|Ⅵm・Ⅱ7

Ⅶm7-5・Ⅲ7・|Ⅵm・Ⅵ7

Ⅳ・Ⅴ・|Ⅵm・Ⅱ7

Ⅳ・Ⅴ・|Ⅵm・Ⅰ(7)・

Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅲm|Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅰ

Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅲm|Ⅳ Ⅴ Ⅰ・

( 原曲のキーで見る → サビ-1 サビ-2 サビ-3 )

Bメロ最後がⅠ7だったので、やはりⅣから始まります。

456の進行の後にⅡ7が来るのは珍しい気がします。そこからⅦm7-5→Ⅲ7→Ⅵmという、マイナーコードへのツーファイブワンの形に繋がります。更にノンダイアトニックコードであるⅥ7に進行します。

この4小節、非常に巧いなあと思います。メロディの音域は1オクターブ未満ながらキャッチーであり、ノンダイアトニックコードの響きも用いていて胸に来るものがあります。

8小節目、2番のサビとラスサビはⅠからⅠ7へ変化していて、後半への強い進行感を出しています。

後半は1拍ごとにコードチェンジします。最後に向かって追い込んでいくようなクライマックス感が出ていますね。サブドミナントドミナントトニックのいわゆる逆循環コードです。

サビ-3

ラスサビはラスト4小節をもう一度繰り返します。さらに最後の盛り上がりを演出していますね。

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間奏

Key = E♭

Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅲm|Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅰ

Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅲm|Ⅴ Ⅵm Ⅵm/Ⅲ

( 原曲のキーで見る → 間奏-1 間奏-2 )

サビの後に入る間奏です。

サビ後半と同様、1拍ごとにコードが変わります。進行も、最後の小節を除いてサビ後半と同様の逆循環です。

ギター2本が絡むようなフレーズは、これこそ米津玄師というようなサウンド感ですね。

Cメロ

Key = E♭

Ⅰm Ⅴm ♭Ⅵ ♭ⅢⅡdim Ⅵm Ⅶ7

Ⅲm Ⅵm Ⅱm7 Ⅲm|Ⅶm7-5 Ⅵm・

Ⅰm Ⅴm ♭Ⅵ ♭ⅢⅡdim Ⅵm Ⅲm

Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅲm|Ⅳ Ⅴ Ⅰ・

Ⅰ・・・|Ⅰaug・・・

Ⅰ・・・

( 原曲のキーで見る → C )

サビ後半、間奏と同様1拍ごとにコードチェンジしています。

Cメロに入り、1小節目(と5小節目)は同主調である短調に一時的に転調していると解釈できます。次の小節でⅥmが聞こえた時点で戻っていると考えられますね。Ⅶ7に関しては飛び道具のような感じでしょうか。

Ⅶm7-5→→Ⅵmの流れはサビでも出てきました。マイナーコードに繋がるツーファイブワンですね。

最後の小節はリタルダンドして、最大級の盛り上げを見せてからラスサビに繋がります。オーケストラと、熱の入った指揮者が浮かんでくるかのような力強さを感じます。

アウトロ

Key = E♭

Ⅰ・Ⅰaug・|Ⅰ7Ⅰaug

Ⅰaug・・・|・・・・

( 原曲のキーで見る → アウトロ )

楽曲のラストの部分です。ただⅠを続けるわけではなく、Ⅴ→♭Ⅵ♭Ⅶ♭Ⅵというラインが入っています。安定した響きではなく、不安定さも感じさせます。

不安を煽るようなストリングスの音、米津玄師の表情も相まって緊迫感のあるラストになっています。

最後に

今回は 馬と鹿/米津玄師 でコード進行を学びました。

圧巻ですね。最初に聞いたときは凄いという感想しか出てきませんでした。

サビ頭のインパクト、オーケストラアレンジ、ラスサビのエモーショナルな叫び、全てが圧巻です。

CD売り上げの大多数をアイドルが占め、それによりランキング上位に輝くというBillboard Japan Hot100の中で、1位になる理由が分かる気がします。

ハチ名義時代の「マトリョシカ」や「パンダヒーロー」で知った身としては、こんな凄いソロアーティストになるとは…という感じもありますね。共感する人は同世代かも。