RAIです。
今回は 大人サバイバー/ラストアイドル でコード進行を学んでいきます。
概要
大人サバイバー/ラストアイドル
作詞 : 秋元康
作曲 : 新隼人
編曲 : 野中”まさ”雄一
B面 : 「キレよう!」(共通)
「誰かの夢が叶ったら」(Type-A)
「Lollipop」(Type-B)
「青春0対0」(Type-C)
ラストアイドルの6枚目のシングル。2019年4月17日リリース。
総合ソングチャート【Billboard Japan Hot 100】2019年4月29日付ランキング1位。
コード譜(フル)
Cm7・A♭M7・|B♭・E♭・ ×4
Fm7・・・|・・・・
Gm7・・・|・・・・ ×3
Fm7・・・|・・・・
B♭・・・|・・・・
G7・・・
Cm7・・・|A♭M7・・・
B♭・・・|E♭・・・
Fm・・・|A♭m・・・
E♭/B♭・B♭・|B♭sus4・B♭・|・・・・
Cm7・A♭M7・|B♭・E♭・ ×8
Fm7・・・|・・・・
Gm7・・・|N.C.・・・
Fm7・・・|・・・・
Gm7・・・|・・・・ ×2
Fm7・・・|・・・・
B♭・・・|・・・・
G7・・・
Cm7・・・|A♭M7・・・
B♭・・・|E♭・・・
Fm・・・|A♭m・・・
E♭/B♭・B♭・|B♭sus4・B♭・|・・・・
Cm7・A♭M7・|B♭・E♭・ ×8
N.C.・・・ ×4
E♭・・・ ×3
N.C.・・・
Cm7・A♭M7・|B♭・E♭・ ×4
Fm7・・・|・・・・
Gm7・・・|G7・・・
E♭・B♭7/D・|Cm7・A♭m・
Fm7・・・|B♭sus4・B♭・
B♭・・・|・・・・
Cm7・A♭M7・|B♭・E♭・ ×12
Cm7・Gm7・|A♭・・・
コード進行 分析・解説
場面ごとに見ていきます。コードはディグリーネームで表記します。
また、ノンダイアトニックコードを赤字で表記します。
楽曲のキーはE♭メジャーです(Cマイナーと捉えることもできます)。
イントロ
Key = E♭
Ⅵm7・ⅣM7・|Ⅴ・Ⅰ・ ×4
( 原曲のキーで見る → イントロ )
この楽曲の中心になるのが、イントロから出てくる6451という進行です。小室進行と呼ばれる、非常によく使われる進行です。
どういう楽曲が始まるか、というのがイントロで既によくわかります。
Aメロ
Key = E♭
Ⅱm7とⅢm7を繰り返す、若干緊張感を感じる進行です。大きな展開なく、ある意味単調な進行が楽曲の雰囲気や、歌詞に合っています。
最後はⅢ7からBメロに繋がります。Ⅲ7はノンダイアトニックコードで割と強烈に印象に残る為、場面の最後に使う場合はサビに繋がる使い方が多いと思います。ここではあえてBメロ前に使っているのが良いですね。
後述もしますが、個人的に欅坂46の「二人セゾン」という楽曲を思い出しました。

A-2
些細な点ではありますが、2番のAメロは4小節目にブレイクが入るという変化をつけている為、あえて表記するとN.C.が相応しいと思います。
Bメロ
Key = E♭
6451の小室進行はイントロでも既に登場しました。
Ⅳmはいわゆるサブドミナントマイナーで、Ⅳ→Ⅳm→Ⅰのパターンが多いですね。ここではサブドミナントⅣの代理コードⅡmが代わりに使われています。

先述した欅坂46「二人セゾン」も、Aメロの終わりがドミナント→意表を突いたⅢ7で、更にBメロでビートが割とハッキリとした感じに変わる&小室進行、という共通点があります。
何と言ってもⅢ7からBメロに繋がるのが強烈なので思い出してしまいますね。両楽曲とも好きです。他にもあったら教えてください。

サビ
Key = E♭
イントロ、Bメロ同様小室進行です。非常に潔く、シンプルですね。歌詞やメロディがよく入ってきます。
サビ-3
ラストのサビのみ、一回し増えます。2小節の小室進行×8で16小節だったところ、2×12で24小節ですね。
|
|
間奏
Key = E♭
2番のサビ後の間奏です。
伴奏無しの掛け声が4小節入り、その後トニックⅠと表記している部分は、ギターが薄くバッキングに入ります。1小節SEが鳴り、小室進行です。Cメロに繋がります。
Cメロ
Key = E♭
Ⅱm7→Ⅲm7はAメロでも登場しましたが、こちらはⅢm7からⅢ7へ進み、Ⅰから始まる進行に繋がります。オンコードでベースラインが176と順次進行で下行しています。ⅣmはⅣm/♭Ⅵだとよりスムーズだったかもしれませんね。

実はこの進行が結構ポイントで、この楽曲ではトニックⅠを起点にした進行が出てきていませんでした。この部分でいきなり明るく感じる人も多いのではないでしょうか。開けた感じの進行と歌詞も非常に合っています。
E♭→B♭/D→Cm7 の開けた感じというのはQueen「ボヘミアンラプソディ」の終盤1分辺り、ギター→ピアノで上行する形のフレーズからリタルダンド、その後の部分を思い出しました。キーが同じだからですね(伝わるか分かりませんが)。
Ⅱm7→Ⅴと強進行でドミナントに繋がった後で、他のサビ前と違い2小節のキメが入ります。Bメロでは1小節でした。
このラスト2小節は熱いですね。かなり好きです。ラストのサビへの良いジャンプ台だと思います。
アウトロ
Key = E♭
Ⅵm7・Ⅲm7・|Ⅳ・・・
( 原曲のキーで見る → アウトロ )
楽曲のエンディング部分です。634の後に51と続けてドミナント終止すれば明るく終われますが、サブドミナントⅣで締め括っています。

サブドミナントで終わるのもよくある形ではありますが、少しふわっとした感じの印象になりますね。Ⅳ特有の浮遊感です。
最後に
今回は 大人サバイバー/ラストアイドル でコード進行を学びました。
シンプルな進行を用いた楽曲ということもあり、他の楽曲にも触れたりしてみました。ただ、随所にポイントがあり、個人的にも好みの楽曲でした。
ラストアイドルが秋元康プロデュースのグループだというのは今回初めて知りました。その範囲は底が知れないですね。