RAIです。
「ダイアトニックコード」や「ノンダイアトニックコード」という単語は見たことがあるでしょうか?「ノン」があるかどうかで何が違うのでしょうか?
今回は「ノンダイアトニックコード」について誰にでも分かるように解説していきます。
ノンダイアトニックコードとは
定義
- ノンダイアトニックコード = Non-Diatonic Chord = 全音階でない和音
ノンダイアトニックコードとは、ダイアトニックスケール(全音階)上にない音を使うコードのことを言います。単純に、ダイアトニックコード以外のコード、ということになりますね。


- ノンダイアトニックコードとは、ダイアトニックスケール上にない音を使うコード
- したがって、ダイアトニックコード以外のコード
ノンダイアトニックコードを使うと?
ダイアトニックコードによる調性感
まず、ダイアトニックコードはそのキーの調性感を出します。「ドレミファソラシド(実音)」を使ったコードが楽曲中で鳴っていれば、「この曲はCメジャーだ」と分かるわけです。
ただ、楽曲が実際にCメジャーなのか、それともFメジャーなのか、人が判別できるかは問題ではありません。曲を聴いてすぐキーが分かるという人は少ないでしょう。
しかし、そのキーであるという雰囲気は、色々な知識がなくても感じ取っているものなのです。これはダイアトニックコードからのものです。
また、ダイアトニックコードは
- 綺麗で心地よい聴こえ方
- 整った響き
などを感じることが多いです。
- ダイアトニックコードはそのキーの調性感を出す
なぜノンダイアトニックコードを使うのか?
ダイアトニックコードは調性感を出し、整った響きを感じさせますが、ダイアトニックコードのみでつくられた楽曲はどう聴こえるでしょうか。
- 整いすぎて面白くない、飽きる
- 変化がなくて単調
上記のような感想は、音楽以外においても感じることのあるものでしょう。習慣として決まったものを食べ続けたら、飽きて他の物を食べたくなります。ただ、飽きない人もいるでしょう。
コード進行についても同様で、そのキーのコードを使い続けたら聴いている人は飽きます。ただ、飽きない人もいるでしょう(もちろん意図的にそのようにすることもあります)。
以上の理由から、ノンダイアトニックコードが登場します。ダイアトニックコードのみの楽曲に、一瞬で豊かさをもたらします。
ただ、大事なのは調性感を失いすぎない程度かどうか、ということです。元のダイアトニックコードの調性感があってこその、効果的なノンダイアトニックコードです。
習慣に飽きて食べ始めた「他のもの」を食べ続けたら、前に習慣にしていたものの味が分からなくなってしまうかもしれません。
- ノンダイアトニックコードは、調性感を失いすぎない程度に
ノンダイアトニックコードの効果
ダイアトニックという考え方、響きから離れることで、ノンダイアトニックコードは様々な効果を与えます。
- 意外性
- インパクト
- 多種多様な感情・感覚
ダイアトニックコードにそれぞれ機能があるように、ノンダイアトニックコードにもそれぞれがもつ色があります。
ただ、一口にノンダイアトニックコードといっても多岐にわたり、使われ方によっても、受け取る人によっても感じ方は変わってきます。
- 切なさ、悲しさ
- 感動
- 不思議さ、浮遊感
- 熱さ、カッコよさ
共通するのは一瞬で雰囲気を変えるだけの力も秘めているということです。
- ノンダイアトニックコードは一瞬で雰囲気を変えられる
ノンダイアトニックコードの使い方
実際に使用されるノンダイアトニックコード
よく使われるものから、あまり使われないものまで多岐にわたります。主なものをリストアップします。ディグリーネーム表記 : 構成音が何度であるか で示します。

ダイアトニックスケールでない部分を赤字で表記します。
- Ⅰ7 : 1/3/5/m7
- Ⅰm : 1/m3/5
- Ⅱ : 2/#4/6
- Ⅲ : 3/#5/7
- Ⅳm : 4/m6/1
- Ⅴm : 5/m7/2
- ♭Ⅵ : m6/1/m3
- Ⅵ : 6/#1/3
- ♭Ⅶ : m7/2/4
- Ⅶm : 7/2/#4
- Ⅶ : 7/#2/#4
※詳細は追記していく予定
最後に
今回は「ノンダイアトニックコード」について学びました。
昨今の楽曲では使われない方が珍しいほどです。逆に音楽制作や楽曲のコード分析の際は、非常にポイントとなる部分です。
この響きはノンダイアトニックコードだ、と分かると、一気に楽曲の捉え方が変わってくるかもしれませんね。