RAIです。
今回は マリーゴールド/あいみょん でコード進行を学んでいきます。
概要
マリーゴールド/あいみょん
作詞・作曲 : あいみょん
編曲 : 立崎優介 / 田中ユウスケ
B面 : 「あなたのために」
あいみょんのメジャー5枚目のシングル。2018年8月8日リリース。Google アプリ CMソング。
総合ソングチャート【Billboard Japan Hot 100】2019年5月13日付ランキング1位。
コード譜(フル)
Dadd9/B・・・|・・・・|・・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm7・・・|F#m7・・・
G・D/F#・|G・A・
D・・・|A/C#・・・
Bm7・・・|A・・・
G・・・|D/F#・・・
G・・・|A・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm7・・・|A・・・
G・・・|D/F#・・・
G・・・|D/A・A・
Bm7・・・|D/F#・・・
G・・・|A・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm・・・|A・・A7
G・・・|D/F#・Bm・
G・・・|A・・・ ×2
D・・・|A・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm7・・・|A・・・
G・・・|D/F#・・・
G・・・|D/A・A・
Bm7・・・|D/F#・・・
G・・・|A・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm・・・|A・・A7
G・・・|D/F#・Bm・
G・・・|A・・・ ×2
Bm7・・・|A/C#・・・
D・・・|A・・・ ×2
D・・・|G・・・
A・・・|Bm・・・
G・・・|A・・・|・・・・
D・・・|A・・・
Bm・・・|Asus4・A・
G・・・|D/F#・Bm・
G・・・|A・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm・・・|A・・A7
G・・・|D/F#・Bm・
G・・・|A・・・ ×2
D/F#・・・|G・・・
A・・・|Bm・・・
G・・・|A・・・
D・・・|A・・・
D・・・|A/C#・・・
Bm7・・・|F#m7・・・
G・D/F#・|G・A・
D・・・|・・・・
D・・・|・・・・
コード進行 分析・解説
場面ごとに見ていきます。コードはディグリーネームで表記します。
また、ノンダイアトニックコードを赤字で表記します。
楽曲のキーはDメジャーです。
イントロ
Key = D
1番最初の郷愁感ある部分は、リバースを用いたサウンドになっています。トニックⅠをベースにしたコードですが、6thや9thが鳴っているのであえてⅠadd9/Ⅵという表記にしました。

その後はズバリ、カノン進行です。この楽曲の色を最も決めている進行で、イントロから使って印象付けています。
1点工夫があり、オンコードを使用しています。これにより、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm7のベースラインがⅠ→Ⅶ→Ⅵという下行する順次進行の形でスムーズに繋がります。

2拍でコードチェンジする最後の2小節も、Ⅰの部分でⅠ/Ⅲにすることで、Ⅳ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴと隣り合った音にベースラインが動き、滑らかに聞こえます。
Aメロ
Key = D
Ⅰ・・・|Ⅴ/Ⅶ・・・
Ⅵm7・・・|Ⅴ・・・
Ⅳ・・・|Ⅰ/Ⅲ・・・
Ⅳ・・・|Ⅴ・・・
Ⅰ・・・|Ⅴ/Ⅶ・・・
Ⅵm7・・・|Ⅴ・・・
Ⅳ・・・|Ⅰ/Ⅲ・・・
Ⅳ・・・|Ⅴsus4・Ⅴ・
イントロとほぼ同様の、カノン進行です。こちらは4番目のコードがドミナントⅤになっています。
また、Bメロ直前のⅤの前に、sus4を置くことで少しタメを作って、次への流れが生まれるようになっています。
A-2
2番のAメロは尺が半分で、後半8小節のみとなっています。
Bメロ
Key = D
4小節のみと短いBメロです。引っ張りすぎずサビに入るのが良いですね。
マイナーのコードから始まる部分がこの楽曲は少なく、少し暗めに変化を出すBメロ、という日本の楽曲らしさが出ています。
Ⅰの部分でⅠ/Ⅲとオンコードを使うことで、Ⅲ→Ⅳ→Ⅴというベースラインの上行する順次進行を経てサビへと繋げています。
サビ
Key = D
イントロ、Aメロとほぼ同じで、カノン進行が軸になった進行です。
1番の変化点は6小節目の3拍目にコードが変わることです。Ⅵmへの変化は他の部分ではありませんでした。ほとんど同じ進行ながら実は変化をつけているのが良いですね。
4小節目4拍目のⅤ7は、あえて表記してみました。隠し味のような感じでアルペジオのフレーズで鳴っていますね。
本当にありふれた、よくある進行で名曲を作るところが、素晴らしいところです。
サビ-3
Ⅰ・・・|Ⅴ・・・
Ⅵm・・・|Ⅴsus4・Ⅴ・
Ⅳ・・・|Ⅰ/Ⅲ・Ⅵm・
Ⅳ・・・|Ⅴ・・・
ギターソロの間奏後、落ちサビに入ります。
コードを演奏しているのがアコギ1本になるためオンコードがなくなったり、4小節目をよく聴くとsus4を挟んでいたりと、細かいところで変化があります。
最初の4小節はイントロのようにリバースを用いたサウンドが目立っています。5小節目からは他のサビのようなサウンドになり、8小節目は若干ブレイクのような感じで、ラストのサビに繋がります。
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間奏
Key = D
間奏-1
Ⅰ・・・|Ⅴ・・・
( 原曲のキーで見る → 間奏-1 )
間奏という程の場面ではないですが、1番のサビの後に2小節入る部分です。
トニックで落ち着いてドミナントへ進行、次のAメロのトニックへ進行、というシンプルなものですね。
間奏-2
2番でCメロが入った後、ギターソロとなる部分です。
1456はトニック→サブドミナント→ドミナント→トニックというお手本通りの進行ですが、この楽曲では出てきませんでしたね。6145というBメロの進行の、スタートを1に変えたもの、とも見ることができるでしょうか。
最後のⅤを2小節間伸ばしているというのもポイントです。次の落ちサビまで、少し焦らしていますね。
Cメロ
Key = D
2番のサビの後に入る部分はAメロともBメロとも違うため、Cメロとしました。
この楽曲では数少ないマイナーのコードから始まる進行です。ベースラインがⅥ→Ⅶ→Ⅰと順次進行で上行した後にドミナントⅤに進みます。
歌詞も相まって、少し切ないというか、儚い感じも出させている部分ですね。ここからギターソロに繋がる流れがとても良いです。
Dメロ
Key = D
ラストのサビ後のオーラス部分をここではDメロとしました。
間奏のギターソロの部分とよく似た進行ですね。あの部分で伏線を撒いていたのかもしれません。
1つ決定的に違うのが、Ⅰ/Ⅲから始まるという点です。この楽曲で出てきたコード進行のパターンのうち、オンコードで始まるパターンはここまで全くありませんでした。
このオンコードの独特の響きがどこか寂しげにも聞こえて、最後の最後、という感じがこのDメロに入った瞬間から感じられる作りになっていますね。Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅵというベースラインの順次進行の流れも綺麗です。
個人的な余談ですが、このオーラス部分の8小節目、最後の2拍間のドラムがこの楽曲で1番好きです。スネアのフラムが最高ですね。
アウトロ
Key = D
オーラスのDメロが終わり、アウトロに入ります。イントロと同じパターンを持ってくる、王道の作りですね。
ただイントロと逆で、リバースを用いたサウンドを6小節の進行の後に持ってくることで、エンディングらしさを演出しています。
最後に
今回は マリーゴールド/あいみょん でコード進行を学びました。
例によってシンプルなコード進行のため、不必要なくらい細かく採譜したつもりです。この進行で名曲に仕上げたあいみょんが素晴らしいですね。簡単で、ギター弾き語りなどには本当におすすめです。
2018年8月8日リリースながら、驚くべきロングヒットで1年経った今でもYouTubeなどで数字を伸ばし続けています。
ランキングにも上位にランクインし続け、1位になったのが2019年5月13日というのも衝撃です。米津玄師のLemon にも言えますが、名曲は本当に長い間聴き続けられますね。

この楽曲も収録されたアルバムも、名曲揃いでおすすめです。