IN-TOSH(@intosh_redarrow)です。
今回は キュン/日向坂46 でコード進行を学んでいきます。
概要
キュン/日向坂46
作詞 : 秋元康
作曲・編曲 : 野村陽一郎
B面 : 「JOYFUL LOVE」(共通)
「耳に落ちる涙」(Type-A)
「Footsteps」(Type-B)
「ときめき草」(Type-C)
「沈黙が愛なら」(通常盤)
日向坂46の1枚目のシングル。2019年3月27日リリース。ストライプインターナショナル『メチャカリ』CMソング。
総合ソングチャート【Billboard Japan Hot 100】2019年4月8日付ランキング1位。
コード譜(フル)
N.C.
C#m7・・・|E・・・
AM9・・・|G#7・・・ ×2
C#m・・・|・・・・
C#m・・・|E7・・・
A・・・|G#7・G#7/C・ ×2
C#m・・・|・・・・
C#m・・・|E7・・・
A・・・|G#7・G#7/C・ ×2
A・・・|G#・・・
C#m・・・|Bm・E・
F#m7・・・|G#m7・・・
A・・・|C・・・
B・・・|・・・
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
A・G#7・|C#m・Bm E
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
F#m7・E/G#・|A F#7/A# B・
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
A・G#7・|C#m7・Bm E
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
F#m E/G# A A/B|E・・・ ×2
C#m7・・・|E・・・
AM9・・・|G#7・・・ ×2
C#m・・・|・・・・
C#m・・・|E7・・・
A・・・|G#7・G#7/C・ ×2
A・・・|G#・・・
C#m・・・|Bm・E・
F#m7・・・|G#m7・・・
A・・・|C・・・
B・・・|・・・
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
A・G#7・|C#m・Bm E
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
F#m7・E/G#・|A F#7/A# B・
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
A・G#7・|C#m7・Bm E
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
F#m E/G# A A/B|E・・・ ×2
A・・・|B/A・・・
E/G#・・・|C#m7・・・
A・・・|B/A・・・
E・・・|E7/D・・・
A・・・|B/A・・・
E/G#・・・|Em/G・・・
F#m7・・・|・・・・
F#m7/B・・・|・・・・
Bsus4・・・|B・・・
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
A・G#7・|C#m・Bm E
Aadd9・B7・|G#m7・C#m7・
F#m7・E/G#・|A F#7/A# B・
B♭ G7/B C・
B♭add9・C7・|Am7・Dm7・
B♭・A7・|Dm・Cm F
B♭add9・C7・|Am7・Dm7・
Gm7・F/A・|B♭ G7/B C・
B♭add9・C7・|Am7・Dm7・
B♭・A7・|Dm7・Cm F
B♭add9・C7・|Am7・Dm7・
Gm F/A B♭ B♭/C|F・・・ ×2
Dm7・・・|F・・・
B♭M9・・・|A7・・・ ×2
Dm・・・|・・・・
コード進行 分析・解説
場面ごとに見ていきます。コードはディグリーネームで表記します。
また、ノンダイアトニックコードを赤字で表記します。
楽曲のキーはC#マイナー、Dマイナーです(それぞれEメジャー、Fメジャーと捉えることもできます)。
- この「キュン」という楽曲は、厳密に言えばC#マイナー(転調後Dマイナー)というキーが正しいです。ただ、今回は表記の分かり易さを重視して、あえてEメジャー(Fメジャー)で表記していきます。
イントロ
Key = C#m (表記 : E)
歌詞がしっかり乗っていますが、楽曲の構成上イントロとしています。
リバースとクラップのSEは定番です。その効果音が冒頭に入って楽曲が始まります。
Ⅵm→Ⅰ→ⅣM9、と来たらドミナントのⅤが来そうなところを、Ⅲ7にすることでグッとくる感じに、かつ次のⅥmへドミナントモーションで繋がるようになっています。

ⅣM9という表記は、メロディが9thをなぞっているためです。
Aメロ
Key = C#m (表記 : E)
4小節の進行を繰り返す8小節を、間に2小節を挟んで2回繰り返します。
特筆すべきはⅠ7です。Ⅰを使えば普通にダイアトニックコードのところ、あえて7thの音を入れています。Ⅰ7自体はそれほど珍しいコードではありませんが、Aメロの2小節目からいきなりぶつけてくるのはレアだと思います。
若干浮いた感じになり、これ一つでもAメロの雰囲気が印象的になっています。
また、イントロ同様ドミナントのⅤが来そうなところでⅢ7を用いています。こちらは2拍でオンコードに進んでいて、次のⅥmへの進行をスムーズにしています。
A-2
2番のAメロの尺は短くなっていて、8小節のみです。最初の4小節×2の後、そのままBメロに進みます。
Bメロ
Key = C#m (表記 : E)
前半4小節は、4561の形を変化させたものです。
イントロやAメロ同様、Ⅴが来そうなところでⅢを使っています。また、Ⅰの前にドミナントマイナーであるⅤmを入れることで次のサブドミナント(Ⅳ)を強く誘っています。Ⅳから見たツーファイブの形になるからです。
後半4小節、まずⅣかと思いきや、ここでは代理コードのⅡm7に進行しています。ここであえてⅡm7を使うことで、Ⅱm7→Ⅲm7→Ⅳという上行する順次進行の形を作ることができています。

Ⅳを2小節続けて焦らしてもいいところですが、♭Ⅵというノンダイアトニックコードに進行します。サブドミナントマイナーの代理コードと言えるでしょう。ハッとする感じを与えて次のドミナントⅤに進み、サビへと盛り上げていきます。
余談ですが、MVを見ずに音源のみを聴いていた為、サビ直前に入る台詞のような歌詞に最初は全く気づきませんでした…
サビ
Key = C#m (表記 : E)(サビ-1,2,3) / Dm (表記 : F)(サビ-4)
Ⅳadd9・Ⅴ7・|Ⅲm7・Ⅵm7・
Ⅳ・Ⅲ7・|Ⅵm・Ⅴm Ⅰ
Ⅳadd9・Ⅴ7・|Ⅲm7・Ⅵm7・
Ⅱm7・Ⅰ/Ⅲ・|Ⅳ Ⅱ7/#Ⅳ Ⅴ・
Ⅳadd9・Ⅴ7・|Ⅲm7・Ⅵm7・
Ⅳ・Ⅲ7・|Ⅵm7・Ⅴm Ⅰ
Ⅳadd9・Ⅴ7・|Ⅲm7・Ⅵm7・
Ⅱm Ⅰ/Ⅲ Ⅳ Ⅳ/Ⅴ|Ⅰ・・・ ×2
サビは「王道進行」とも呼ばれる4563を中心にした進行です。
この楽曲の他の部分同様Ⅴの部分でⅢ7を使ったり、Bメロでも出てきたドミナントマイナーによるツーファイブの形を4,12小節目で使ったりしています。こちらは素直にⅣに進行していますね。
サビ前半の終わり頃の7小節目から、オンコードも使うことで、ベースラインがⅡ→Ⅲ→Ⅳ→#Ⅳ→Ⅴと上行する順次進行の形を作っています。特に8小節目は1拍ごとにコードチェンジが入り印象的です。盛り上げた後繰り返します。
後半で変わるのは最後の部分で、15小節目、ここも1拍ごとのコードチェンジでベースラインが2345と上行しています。ⅤではなくⅣ/Ⅴを使い、ドミナントモーションの強い進行感を薄めているのもポイントです。2回繰り返してサビを締めくくります。
サビ-3
Cメロ後に入る、いわゆる「落ちサビ」です。尺がおよそ半分になっており、前半8小節の後に転調の橋渡しをする1小節が追加されます。
#Ⅳ #Ⅱ7/Ⅴ #Ⅴ・
この1小節はサビ8小節目の進行を半音上げているだけですので、転調後のFメジャーから見ると、サビ8小節目と同様の表記、進行になります。
サビ-4
落ちサビ後のラストのサビです。転調してFメジャー(Dマイナー)になっています。コード進行は他のサビと同様です。
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間奏
Key = C#m (表記 : E)
1番のサビ後に入る部分です。イントロ同様歌詞もしっかり乗っていますが、楽曲の構成上間奏としています。
尺も進行もイントロと同じです。
Cメロ
Key = C#m (表記 : E)
Ⅳ・・・|Ⅴ/Ⅳ・・・
Ⅰ/Ⅲ・・・|Ⅵm7・・・
Ⅳ・・・|Ⅴ/Ⅳ・・・
Ⅰ・・・|Ⅰ7/♭Ⅶ・・・
Ⅳ・・・|Ⅴ/Ⅳ・・・
Ⅰ/Ⅲ・・・|Ⅰm/♭Ⅲ・・・
Ⅱm7・・・|・・・・
Ⅱm7/Ⅴ・・・|・・・・
Ⅴsus4・・・|Ⅴ・・・
( 原曲のキーで見る → C )
2番のサビの後にCメロに入ります。
451の進行を軸にしています。定番も定番の流れではありますが、Ⅴ/ⅣやⅠ/Ⅲというオンコードで響きに変化がついています。ノンダイアトニックコードのⅠ7/♭ⅦとⅠm/♭Ⅲも良いアクセントです。
Ⅱm7を2小節続け、Ⅱm7/Ⅴに進み、さらにⅤsus4を挟んでようやくⅤに進行します。Ⅱm7→Ⅴという単純な進行に比べ、次にじりじりと焦らすように進んでいく感じになりますね。落ちサビへ繋がります。
アウトロ
Key = Dm (表記 : F)
楽曲のエンディング部分にあたります。ラストのサビの前に転調しているのでFメジャー(Dマイナー)です。
転調はしているものの、イントロ、間奏と全く同じ進行です。歌詞も乗っています。
最後はⅥmで終わっていますが、厳密にはこの楽曲はマイナーキーですので、トニックマイナーでしっかり終わっていることになります。
最後に
今回は キュン/日向坂46 でコード進行を学びました。
通称「ひらがなけやき」の「けやき坂46」が名前を変えて「日向坂46」となったことは知っていましたが、これを機会に「けやき坂46」結成の背景も調べて知りました。
欅坂46の2軍的な位置であったところから、独立の1stシングルがこの楽曲なのですね。今後も期待です。
次のシングルも取り上げています↓
