RAIです。
今回は 君を待ってる/King & Prince でコード進行を学んでいきます。
概要
君を待ってる/King & Prince
作詞 : 高橋優
作曲 : 川口進 / 草川瞬 / 佐原康太
編曲 : 田渕夏海 / 川口進 / 佐原康太
B面 : 「風に乗れ」(共通)
「グッとGood Life」「Wake me up」(通常盤)
「宙(SORA)」(初回限定盤A)
「Spark and Spark」(初回限定盤B)
King & Princeの3枚目のシングル。2019年4月3日リリース。UHA味覚糖『ぷっちょ』CMソング、『Yahoo!きせかえ』CMソング。
総合ソングチャート【Billboard Japan Hot 100】2019年4月15日付ランキング1位。
コード譜(フル)
E♭・・・|A♭M7・・・
E♭/G・・・|A♭M7・B♭sus4・
B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
E♭/G・・・|A♭M7・B♭・
E♭・・・
E♭・・・|B♭・・・
Cm7・・・|Gm7・・・
A♭・・・|E♭・・・
A♭・B♭・|E♭M7・・・
E♭・・・
Gm・・・|Cm7・・・
Fm7・・・|B♭・B♭/A♭・
Gm7・・・|Cm7・・・
Fm7・Gm7・|A♭・・・
B♭sus4・・・|B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
B♭7・・・|E♭・・B♭/D
Cm・・・|F・・・
B♭sus4・・・|B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
B♭・G/B・|Cm・・Cm7/B♭
A♭・E♭/G・|F/A・・・
Fm・・・|B♭sus4・B♭
E♭・・・|A♭M7・・・
E♭/G・・・|A♭M7・B♭・
E♭・・・
E♭・・・|B♭・・・
Cm7・・・|Gm7・・・
A♭・・・|E♭・・・
A♭・B♭・|E♭M7・・・
E♭・・・
Gm・・・|Cm7・・・
Fm7・・・|B♭・B♭/A♭・
Gm7・・・|Cm7・・・
Fm7・Gm7・|A♭・・・
B♭sus4・・・|B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
B♭7・・・|E♭・・B♭/D
Cm・・・|F・・・
B♭sus4・・・|B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
B♭・G/B・|Cm・・Cm7/B♭
A♭・E♭/G・|F/A・・・
Fm・・・|B♭sus4・B♭・
E♭・・・
E♭m・D♭/F・|G♭・A♭・ ×2
C♭・・・|D♭/C♭・・・
G♭/B♭・・・|C♭/E♭・G♭/D♭・
A♭m7・B♭m7・|C♭・A♭/C・
D♭sus4・・・|D♭・・・
A♭/B♭・・・|B♭・・・
Fm7・・・|Cm7・・・
A♭・・・|E♭・・・
Fm7・・・|E♭/G・・・
A♭・・・|・・・・
B♭sus4・・・|B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
E♭/G・・・|A♭M7・B♭・
B♭・・・|・・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
B♭7・・・|E♭・・B♭/D
Cm・・・|F・・・
B♭sus4・・・|B♭・・・
E♭・・・|A♭M7・・・
B♭・G/B・|Cm・・Cm7/B♭
A♭・E♭/G・|F/A・・・
Fm・・・|B♭sus4・B♭・
E♭・・・|A♭M7・・・
E♭/G・・・|A♭M7・B♭・
E♭・・・|A♭add9・・・
Cm・E♭/B♭ Fm7-5|B♭・C♭6 D♭6
E♭・・・
A♭M7・・・|・・・・
コード進行 分析・解説
場面ごとに見ていきます。コードはディグリーネームで表記します。
また、ノンダイアトニックコードを赤字で表記します。
楽曲のキーはE♭メジャー、G♭メジャーです。
イントロ
Key = E♭
オンコードが使われたりはするものの、トニック、サブドミナント、ドミナントのみを素直に並べたシンプルな進行です。サブドミナント終止とドミナント終止を交互に繰り返す形とも言えるでしょうか。
尺は少し特殊ですね。4+1の後、4+1で10小節という感じです。最初の4小節はピアノとベル系の音色、続く1小節でストリングスが入ってきて、イントロ後半は華やかなブラスとコーラス、そしてAメロに入っていきます。
Aメロ
Key = E♭
ズバリ「カノン進行」そのものです。
7小節目が小節中にコードチェンジをしているので、8小節目にトニックに戻っています。そのトニック部分にメジャー7thの音が含まれているのが印象的ですね。その点以外はそのままの「カノン進行」です。
Bメロ
Key = E♭
循環コードである3625の進行が使われています。この4つのコードの進行は全て完全5度下行の強進行になっていて、「五度圏(サークル・オブ・フィフス)」の進行と言ったりもしますね。
7小節目からは2345と上行する順次進行で盛り上がっていき、サビを迎えます。

サビ
Key = E♭
Ⅰ・・・|ⅣM7・・・
Ⅴ7・・・|Ⅰ・・Ⅴ/Ⅶ
Ⅵm・・・|Ⅱ・・・
Ⅴsus4・・・|Ⅴ・・・
Ⅰ・・・|ⅣM7・・・
Ⅴ・Ⅲ/#Ⅴ・|Ⅵm・・Ⅵm7/Ⅴ
Ⅳ・Ⅰ/Ⅲ・|Ⅱ/#Ⅳ・・・
Ⅱm・・・|Ⅴsus4・Ⅴ・
この楽曲で初めてノンダイアトニックコードが登場します。ⅡとⅢですね。全体的にはシンプルなコード進行です。
6小節目、Ⅱmの代わりにドッペルドミナント(ダブルドミナント)であるⅡを使ってドミナントⅤに繋いでいます。11小節目、Ⅴの後、Ⅵmから見たドミナント、いわゆるセカンダリードミナントであるⅢをオンコードで入れています。これらは両方よく使われます。
この進行の中で言うなら、Ⅱ/#Ⅳの響きは少し珍しい方というか、アクセントになっているかもしれません。ダイアトニックコードであるⅡmに進むことで、お手本通りのツーファイブの形がサビの最後に出来ています。
サビ-2
2番のサビは1小節長く、上記16小節の後の17小節目にトニックⅠが入ります。
Ⅰ・・・
きちんと解決したあと、間奏で転調します。
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間奏
間奏-1
Key = E♭
1番のサビの後に入る間奏です。イントロの後半部分と全く同じですね。
間奏-2
Key = D♭ / G♭ / E♭
Ⅱm・Ⅰ/Ⅲ・|Ⅳ・Ⅴ・ ×2
Ⅳ・・・|Ⅴ/Ⅳ・・・
Ⅰ/Ⅲ・・・|Ⅳ/Ⅵ・Ⅰ/Ⅴ・
Ⅱm7・Ⅲm7・|Ⅳ・Ⅱ/#Ⅳ・
Ⅴsus4・・・|Ⅴ・・・
Ⅳ/Ⅴ・・・|Ⅴ・・・
( 原曲のキーで見る → 間奏-2 )
2番サビの後、転調して入ってきたこの間奏だけでも、2度転調しています。転調したキーでのディグリーネームで表記します。
E♭メジャーのサビからまずはD♭メジャーに転調します。Ⅰで解決した後に長2度下への転調、更にⅡmから入ることで、同じルートのメジャーからマイナーへの進行になります(この場合、E♭→E♭m)。
転調前のキーから見ると突然Ⅰmが鳴ることになり、一気に雰囲気が変わります。若干暗めに感じるでしょうか。この4小節の進行は、ベースラインが2345と上行する形のものです。2つめのトニックがオンコードですね。
更にD♭メジャーから5度下(4度上)のG♭メジャーに転調します。ここではⅣから始まりますが、前のどちらのキーでも出てこないコードで、明るい方向に雰囲気が変わって聞こえると思います。
この部分の進行は「王道進行」の変化形と、ベースラインが上行する順次進行の形です。前半部分はオンコードが多用されていて、純粋な4536の王道進行の形とは違った響きです。後半はベースラインがⅡ→Ⅲ→Ⅳ→#Ⅳ→Ⅴという形になっていますね。
更に短3度下に転調しE♭メジャーに戻ってきます。Ⅳ/ⅤはⅤ7sus4に似ていて、Ⅴに繋げるのが定番です。前のキーから見るとⅡ/Ⅲで、これも雰囲気の変わり方が凄いですね。明るい感じと戻ってきた感じが伝わってくると思います。
この間奏は最後の4小節の進行、転調を挟んでいますが、G♭→F→E♭→Dのラインが非常にグッと来ますね。
間奏-3
Key = E♭
Cメロとラストのサビの間の間奏です。コーラスや歌詞も乗っていますがここでは間奏としました。
イントロや1番サビ後の間奏とほとんど同じ進行です。間奏中では解決せず、ドミナントⅤのまま、ラストのサビに繋がっていきます。
Cメロ
Key = E♭
あまり強い進行感は無いまま進みます。5小節目からはオンコードも混ぜながらベースラインが2345と上行していきます。
この後にすぐにはサビに戻らないのはこの楽曲のポイントの1つですね。
アウトロ
Key = E♭
7小節目から、付点四分音符×4、四分音符×2、というリズムでコードチェンジしますが、Ⅱm7-5というノンダイアトニックコードがアクセントになっています。サブドミナントマイナーの代理コードと言えるでしょう。
♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰという使われ方は定番です。♭Ⅵと♭Ⅶは同主調の短調でダイアトニックコードなので、そこからの借用です。よって、この流れは次にⅠmが来るのが自然です。そこであえて裏切ることで、Ⅰのメジャーで明るい感じを際立たせる進行になっています。
楽曲の最後がⅣM7で終わることはよくありますが、その若干不思議な感じの響きにリバースも用いてこの楽曲は終わります。
最後に
今回は 君を待ってる/King & Prince でコード進行を学びました。
歌の入った部分はシンプルな進行が多いですが、間奏部分が転調を含む変化球でしたね。
CMは知らないのにどこかで聞いたことがあると思ったら、朝の番組「ZIP!」にKing & Princeのメンバーが出演する際にかかっている楽曲でした。東京五輪にちなんで、色々な競技に挑戦するコーナーですね。
まだ3枚目のシングルということで、これからの楽曲も楽しみです。