音楽理論

音楽でのややこしい言葉「終止・終止形」の違いと種類

音楽でのややこしい言葉「終止・終止形」の違いと種類

IN-TOSH(@intosh_redarrow)です。

日本語の文法で「終止形」という言葉を使います。未然・連用・終止・連体・仮定・命令、学校で習うと思います。

音楽においても「終止」や「終止形」という言葉を使います。国語の授業とはまた違った意味がありますが、知っているでしょうか?これが意外とややこしいのです。

今回は「終止・終止形」について誰にでも分かるように解説していきます。

言葉の意味

「カデンツ」を訳すると「終止」「終止形」

日本語の「終止」「終止形」は別の意味の内容を指すのが一般的です。まず、以下の2つの言葉があります。

  • kadenz(ドイツ語 : カデンツ)
  • cadenza(イタリア語 : カデンツァ)

上記2つはもともとどちらも同じ意味で、和音進行のことについてあらわします。しかし、ドイツ語の「カデンツ」を日本語に訳すと「終止」「終止形」となります。言葉自体は日本語でいう「終止形」の意味で使われます

イタリア語の「カデンツァ」は日本語ではどう使われるかというと、楽器や歌でソリストが目立つ伴奏なし自由にアドリブソロを演奏することです。ここでは触れません。

  • ドイツ語のkadenz(カデンツ)も、イタリア語のcadenza(カデンツァ)も、両方和音進行についての言葉
  • ドイツ語のカデンツを日本語に訳すと「終止・終止形」、「カデンツ」という言葉自体は日本語でいう終止形の意味で使われる
  • イタリア語のカデンツァを日本語で使う時は「伴奏無し自由なアドリブソロ」をあらわす

終止・終止形とは

では、実際に「終止」「終止形」は何を意味し、どのように違うのでしょうか。

終止形とは

先に終止形を取り上げます。先に述べた通り、日本で使う「カデンツ」と同義です。

一般にコード進行は、トニックから他の機能に進行し、またトニックに戻ってくるまでをひとまとまりとします。このひとまとまり終止形カデンツといいます。

厳密にいうとドミナントからサブドミナントには原則進行しないので、カデンツは以下の3種類となります。

  • トニック→ドミナント→トニック
  • トニック→サブドミナント→トニック
  • トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック
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ただこれは古典的な解釈なので、

  • トニック→ドミナント→サブドミナント→トニック

というカデンツの形もごく普通に使われます。

  • 終止形(カデンツ)とは、トニックから他の機能に進行し、またトニックに戻ってくるまでのひとまとまりのこと
  • 厳密にはD→SDの進行はしないため終止形は3種類だが、T→D→SD→Tというカデンツの形もごく普通に使われる

終止とは

終止とは、音楽の一区切りの終わりのことです。大体は4小節や8小節で一区切りなので、その終わり部分が「終止」となります。上記の「終止形」とは異なるのです。

終わりのコードがあったとき、どのコードからそれに進行するかによって、終止の種類が違うということになります。

  • 終止とは、音楽の一区切り(4小節や8小節など)の終わり部分のこと
  • どのコードから終わりのコードに進行するかで種類が決まる
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終止の種類

ドミナント終止

ドミナント(Ⅴ)からトニック(Ⅰ)へ進行する終止のことをいいます。全終止ともいいます。ルート音が完全5度下行(完全4度上行)するドミナントモーションと呼ばれる進行で、最も力強い進行です。

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厳密にはドミナント終止(全終止)にも2種類あり、転回やメロディが関わってきます。

  • 完全終止 : ⅤもⅠも転回形でなく、メロディも主音(Ⅰ)で終わる
  • 不完全終止 : ⅤかⅠが転回形、あるいはメロディが主音(Ⅰ)ではない

この2つを比べると、完全終止の方がより完全な終止感が得られます。不完全終止の方が、先に継続する感じを得られます。

  • ⅤからⅠへ進行するドミナントモーションでの終止がドミナント終止(全終止)
  • 最も力強い進行で、他の終止より強い終止感を得られる
  • 転回、メロディの音によって完全終止不完全終止がある

サブドミナント終止

サブドミナント(Ⅳ)からトニック(Ⅰ)へ進行する終止のことをいいます。讃美歌のエンディングに使われていることからアーメン終止ともいいます。

ドミナントモーションでのドミナント終止ほど強い進行感はなく、柔らかい感じです。

  • ⅣからⅠへ進行する終止がサブドミナント終止(アーメン終止)
  • ドミナント終止と比べると柔らかい感じの終止

偽終止

ドミナント(Ⅴ)からの終止であるのに、トニック(Ⅰ)へ進行せずそれ以外のコードへ進行して終止することをいいます。トニックの代理コードであるⅢm、Ⅵmへの進行であることが多いです。

弱い終止で、ここからまだ続いていくときに使われます。

  • Ⅴから「Ⅰ以外」へ進行する終止が偽終止
  • トニックの代理コードへの進行であることが多い
  • 終止感は弱く、先に続いていくときに使われる

その他

知らなくていい知識だと思います。

半終止

  • ドミナントであるⅤで終止すること
  • 終止感は全くない
  • サブドミナントであるⅣで終止することも半終止とすることもある

女性終止

  • 弱拍で終止することを女性終止と呼ぶこともある
弱拍
  • 2拍子の2拍目、3拍子の2,3拍目、4拍子の2,4拍目など
  • 4拍子の3拍目は中強拍と呼ばれる

最後に

今回は「終止・終止形」について学びました。

似た意味、似た字面の言葉が多くてややこしいですね。当記事できちんと意味・違いを分かって頂けたら幸いです。

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